2022/05/27 11:09
日本推理作家協会からくだんの選考会の選評が届いたので拝読。やはりなかなか全員一致での受賞は難しく、今回受賞できたのは選考委員の皆様との相性がよかったこともあったのだろうなと感じた。
6年前の横溝正史ミステリ大賞も同様で、あのときも僕の作品に対する評価が割れていたため、選考されるかたの顔ぶれが違っていたら僕はデビューできておらず、いまごろプログラマー一本で活動していたかもしれない……とは折に触れて感じる(投稿活動は30代までと決めていた)。それは逆に言うと、僕が超絶ベストセラーを産むはずだった大天才を潰してしまった可能性もあるということだ。小説ないしアートやエンタメの評価には偶発性が絡むものであって、受賞者は少なからず偶発的に発生した受賞という事態を、「あいつに賞をやって正しかった」という評価へと事後的に変えていく責務があると思う。今後ますます頑張っていきたい。
2022/05/26 15:41
新しい長編の原稿を編集者へ送付。さてどうなるか。
このところ体調を崩していて、締切をなんとかクリアできてヘトヘト状態である。引っ越しをしてから定期的な運動習慣の形成に失敗していることと、単にタスクが多すぎて多忙なことが大きい。タスクは原稿をあげたことで一旦大きめのものがなくなったので再整備しつつ、ジムなどの運動環境を整えたい。なんだかんだと仕事が長続きするには体力と対人関係調整能力が大きく、40代を迎えてあと10年20年と働くために自分を見直したいところ。健康診断にも行きます。
最近は締切に追われ読書ができていなかったので、日曜日くらいまではアウトプットは止めて読書期間としたい。積読になっている読みたい本を、10冊くらいは消化したいところ。読むぞ読むぞ。
2022/05/23 16:30
体調不良です。諸々滞っておりすみません
2022/05/22 18:28
どうもオーバーワーク気味で体調が悪い。山を超えたら少し休みたいが。
2022/05/20 10:23
『風を彩る怪物』のゲラ作業を終えたので、次は止まっていた『祝祭の子』の改稿作業に着手。連載時に一度大改稿をして、その後文章の調整などをかなりやっているのでだいぶ仕上がってはいるのだが、根本の設定に難がある作品でもあり、その部分を直している。これでかなりよくなったと思うので、あとは手を動かすのみ。いい作品に仕上げたい。
本日は芦辺拓さんの『大鞠家殺人事件』を遅まきながら読んでいる。明治の香りが漂う文体と、大阪の船場で使われていたという古い大阪弁を、味わうようにじっくりと読む。至福の読書。芦辺さんの作品は読み逃しているものがちょこちょことあるので、今年集中的に読んでいきたい。
2022/05/19 12:07
最近タスクの管理方法がだいぶ極まってきた感じがあり、日々の業務がかなり安定して進行するようになった。要領のいい人は20代くらいでこういうの極めちゃうのだろうけど、まあそうではないので時間はかかる。このところゲラと改稿に追われていて睡眠が足りていないので、ここを乗り切ったら少し休みたい。
呉勝浩『爆弾』途中まで読んだが面白い。ここからクリストファー・ノーランの『ダークナイト』のネタバレをするので未見のかたは読まないでほしいのだが、思いだすのは『ダークナイト』でジョーカーが船を爆破させるかさせないかというシーンのことで、あの映画で一番面白かった(僕的に)シーンをさらに深化・演繹させたような物語である。
『ダークナイト』は名作と言われているが僕はいまひとついい観客ではなく、それはあの船のシーンで大衆の善意がジョーカーの悪意を乗り越えた! みたいなことになったのに、結局最後バットマンが大衆なんて信じられねえぜとあの結論に行ってしまうからである。あそこはやはり善人サイドが犯罪者の船を善人的な理屈と手続きに基づいて吹っ飛ばすべきだったと思うのだが(大衆がジョーカーにバカ負けするからこそ、バットマンの闇落ちでしかジョーカーを倒せないという話になる)、レーティングの関係でシナリオを現場で書き換えたのではないかと睨んでいる。まあ『ダークナイト』はさんざん研究されているだろうから、僕の邪推が的外れだったりしたらごめんなさい。
引き続き仕事。
2022/05/18 17:02
6月刊『風を彩る怪物』(祥伝社)は再校ゲラまで終えて、僕の作業はひとまず完了。この作品はパイプオルガンをテーマにした青春小説で、オルガン工房にも何度も取材をさせていただいた。
僕がオルガンという楽器に着目したのは、2005年にウィーンやらチェコやらを友人と歩き回ってからで、あのときはリンツのザンクト・フローリアン修道院でオルガンのコンサートを聴いた。西欧の教会は異様に天井が高く、球形になっており、そこでオルガンを鳴らすと音が文字通り神の声のように塊となって降りてくる。またオルガンは非常に多彩な音を出すことができ、当時はどういうメカニズムでそんなことをやっているのか判らなかったので、ほとんど神秘体験のようだった。そのときはまさかパイプオルガンについて小説を書くなどと思っていなかったのだが、まあそういう種が発芽して作品になるものです。力作なので売れてほしいところだ。
最近の読書としては、呉勝浩さんの『爆弾』を読んでいるのだがこれが面白い。まだ序盤。呉さんはもう誰も真似できない「呉文体」みたいなものを作り上げていて、本当に素晴らしいと思う。
映画『シン・ウルトラマン』も見た。僕はウルトラマンはよく知らないのだが、脚本が本当によくまとまっていて、怪獣との連戦で進んでいくのだか常に一本のストーリーラインが中心に存在するので、見ている側が戸惑わない。胸と目頭が熱くなる、立派なエンターテインメント作品に仕上がっていた。